キモオタだから許して欲しい

ジャニオタだった私は気付いたらLDHの沼にいた

何かの沼に落ちる時、それは突然にしてラブドリームハピネス

あなたのLDHはどこから?私はHiGH&LOWから。

そういう人は多い。とかく私もその一人である。

 

2019年9月21日、特にすることもなく休日を持て余していた頃、TwitterのTLに一つのツイートが流れてくる。それはフォロワーの誰かがRTした、見ず知らずの人のツイートだった。

「今ならハイローが無料で見れるよ!」という文字と、リンクと、出演者と思われる何やら厳つい顔がたくさんの画像。

“ハイロー“、聞いたことはあった。少し前に他界隈ながら、オススメしている人があちこちでその話をしていて、『EXILEの映画』という前情報は得ていた。私はEXILEに対して、厳つい陽キャ集団というイメージで苦手意識を持っていたため、今までずっとスルーして来たのだが、暇だった事と無料で見られるという事が重なり、軽率にツイートに書かれていたリンクに飛んでみた。

リンク先は、期間限定でHiGH&LOWの映画一本を無料で見られるという動画配信サイトだった。勿論公式である。そのまま流れるように再生し、鑑賞した。

『HiGH&LOW  THE  MOVIE』

最後まで見た。初見での感想は、面白いのだろうけれど、よく分からないという感情が大きかった事をよく憶えている。登場人物が多すぎる事や話の流れから、どうやら今作の前に見るべきものがあって、その知識が無いと理解できないのだと悟る。だとすると、ただ今作だけを見てその感想を抱くのは勿体ないのではないか?私はそのまま、“ハイロー“についてざっと調べてみた。これはシリーズものであり、ドラマや映画が何本も存在している。じゃあ、まず初めにどれを見たらいいのか?どこで見られるのか?その答えを見つけ、某動画配信サービスのサブスクに登録、連ドラの『HiGH&LOW  THE  STORY  OF  S.W.O.R.D』を見る事になった。

その連ドラを見終わると、もう次が見たくて堪らなくなった。『THE  MOVIE2 END  OF  SKY』『THE  MOVIE3 FINAL  MISSION』を見終え、ああ、面白かった…。ここで満足感と充足感、終わってしまった虚無感に襲われた。その時点で、もうだいぶハイローというコンテンツに関心を持っていたのだが、本当の意味で私をハイローの沼に落としたのは、その次に見た『THE  RED RAIN』である。

もともと私には、いわゆるジャンルとしての兄弟ものが大好きだという前提があった。それ故に、『THE  RED RAIN(以下レッレ)』に対し、これはずるいという訳の分からない嫉妬すらを見る前から抱いていた。しかし、そうも言ってはいられない。見たいんだから。さて、満を辞してレッレを拝謁する事となる。当時ジャニオタで、アニメも嗜んでいた趣味人間の私。正直に言うともう新しい物にハマりたくはなかった。レッレを見たらもう引き返せない、それくらい自分とレッレに対して高いハードルを与え、鑑賞したにも関わらず呆気なく持っていかれた。

斎藤工EXILE  TAKAHIRO、(当時は顔と名前が一致していなかったが)登坂広臣の三兄弟である。あまりにも華々しい顔面の兄弟愛、ド派手でスカッとするアクション、衝撃、感動。それらが一気に私が作り上げた勝手なハードルを飛び越え、懐に飛び込んで来た。兄貴のラストシーンに涙で画面を霞ませていると、まさかのエンディング後、伝説のアイスシーン。これはアドリブだ!と役者二名のことを全く存じなくても察した。なんてサービス精神の高い作品だ…完敗である。何が負けなのか、私の心です。

更に余談だが、私は「光と闇」「生と死」「朝と夜」と言った、“相反する二つの物“の表現を好んでおり、雨宮兄弟に対してもその性格の違いから「この二人、太陽と月だ!」と内心で喜んでいたところ、中の人であるTAKAHIROのモチーフが太陽であり、登坂広臣はソロプロジェクトで自身を月に喩えていると知った時は、あまりにも出来過ぎているこの世界を恐れた。

さて、レッレにより完全に両足がハイローの沼に浸かった私が次に行った事はハイローの曲が詰まったCDを買う事、そして雨宮広斗(登坂広臣)がいる三代目J  SOUL  BROTHERSのMVを見る事だった。そこで初めてハイローに出ていた面々の多くが三代目に所属していることを知る。何よりも驚いたのは、ダンさん(山下健二郎)が踊っている事である。ダンさんのことは、おそらく劇団EXILEにいる中堅だろうと思っていたため、まさか踊るとは思わずシンプルに驚いた。「ガンちゃん」の存在は、普段何気なく見ていたドラマにも出ていたためハイロー以前から知っていたが、ずっと歌う人だと思っていた。某コーヒーのCMでも歌っていたのに踊るのか!と意表を突かれた。ハイローで一際怖かった源治(小林直己)やICE(ELLY)、まさか三代目にいるとは思っていなかったジェシー(NAOTO)も確認し、三代目は敵も味方も関係ないドリームチームだったのか、と謎に感動した。あと、もう一人のボーカルの人はハイローには出ていなかったが、やたら歌が上手いな、という印象で全員を確認した。その今市隆二の事は数日後、バラエティ番組で場違いなほどのヤンチャオーラを出しながらも笑顔がとても可愛い人と認識、ギャップと可愛さに三代目のトータル戦闘力にひれ伏した。

歌が上手い!もっとその歌が聞きたい!三代目のMVを数本見た私はそれだけでは我慢ができなくなり、三代目の何かすごいボリュームのアルバム『THE  JSB WORLD』を購入し、毎日最低でも三時間は聞いていた。聞いても聞いても飽きるどころか、もっと聞きたい。更には生でこの歌を聞きたいと思うようになり、ハイロー初見から一ヶ月経たずに、ちょうど行われていた三代目のライブツアー『RAISE  THE FLAG』のチケットを一般で購入した。ライブなんて、今までジャニーズのものしか行った事が無い。こんなにわかが行ってもいいのか?ファンもヤンキーだらけなのだろうか?そんな事を考えながらもライブ当日を迎え、私はこの15年間団扇とペンライトという装備で行っていたライブという物に、旗一本で挑んだ。

あまりにも、楽しくて幸せな時間だった。

今までのライブでも、そう思う瞬間は何度もあった。けれど、アイドルのライブとは違う楽しさが確実にそこにはあった。初めての不安や、にわかの申し訳無さも吹っ飛ぶほどのお祭りだった。今日、突発的にライブに来た事は間違いじゃなかったと思えたし、私の選んだ道は最高だと確信した。

その日を皮切りに、私のLDHライフは更に加速する。歴史が長く、人数も多くて覚えられない、と距離を置いていたEXILEのメンバーを気がつけば全員知っていた。過去も現在も関係なく楽曲を聴きまくり、もっと良い環境で聴きたいと今まで買ったことのないような値段のイヤホンを買った。三代目のファン限定クリスマスライブにも行き、カウントダウンはライブビューイングで参加した。あまりにも壮大な2019年後半を駆け抜け、2020年を迎えた。

2020年は、思いもしなかったことの連続で気分が落ちる事も多かった。それでも絶えずLDHが届けてくれる、名前の通りのラブドリームハピネスに生きる活力と希望を貰っている気がする。前向きに思考をするならば、私がLDHに出会えた事がこの2020年に間に合って良かったと思う。私がLDHから授かったと思う物、前向きな気持ちと黒い服。これからの人生もよろしくね!